すでにドイツ語の平叙文では人称変化した動詞が第2位置に来ることを学び、nichtが簡単な文では文全体を否定するために文末近くに来ることも学んだ。この2つのルールには、文に複数の状況語――時間、何かのやり方、場所――が同時に出てくると空白ができる。このレッスンではその空白を埋める。状況語同士の順序と、nichtがその中のどこに入るかだ。

簡単に言うと、中立的な語順では時間、様態、場所の順だ――Ich fahre heute mit dem Bus nach Berlin. そしてnichtは、文全体を否定するとき、時間のすぐあと、様態と場所の前に入る。Ich fahre heute nicht mit dem Bus nach Berlin.

状況語の順序:時間、様態、場所

一つの文に複数の状況語が重なるとき――いつ?どうやって?、*どこへ?/どこで?*に答えるもの――ドイツ語の中立的で日常的な語順は、時間、様態、場所の順だ。

  • Ich fahre heute mit dem Bus nach Berlin.(私は今日バスでベルリンに行く。)
  • Sie fliegt morgen schnell nach Rom.(彼女は明日、急いでローマに飛ぶ。)
  • Wir gehen um sieben zu Fuß ins Kino.(私たちは7時に歩いて映画館に行く。)
時間(いつ?) 様態(どうやって?) 場所(どこへ?/どこで?)
heute mit dem Bus nach Berlin
morgen schnell nach Rom
um sieben zu Fuß ins Kino

日本語では、状況語は動詞の前に置かれるという点でドイツ語とは構造が違う。ただし、相対的な順序で見ると「私は今日バスでベルリンに行く」のように、時間→様態→場所という並びは日本語でも自然なことが多く、ドイツ語のこの順序と重なりやすい。一方、否定の仕組みはまったく違う。日本語の否定は動詞の語尾(-ない、-ません)に組み込まれていて、ドイツ語のnichtのように文中を独立して動き回る単語ではない。

3つすべてが一つの文に揃うとは限らない。ほとんどの文では1つか2つしか出てこない。しかし複数が一緒に出てくるときは、これがまず選ぶべき語順だ。ほかの語順も文法的に間違いというわけではなく、特に強調したいときや文体上の理由で使われることもあるが、最初に選ぶべきはこの順序だ。

nichtがどこに入るか:時間のあと、様態と場所の前

前の否定のレッスンでは、これをわざと未解決のままにしておいた。場所を表す語句が文に加わると、nichtは中立的な語順ではその後ろの文末には来ない――そのに来る。文全体を否定するというよくあるケースでは、中立的な語順はこうなる。nicht時間表現のあとに、しかし様態と場所の前に来る。

  • Ich gehe heute nicht ins Kino.(私は今日、映画館に行かない。)――これが中立的な言い方で、Ich gehe heute ins Kino nicht. ではない。
  • Er kommt morgen nicht mit dem Auto.(彼は明日、車では来ない。)
  • Wir fahren heute nicht mit dem Bus nach Berlin.(私たちは今日、バスでベルリンに行かない。)――時間、そしてnicht、そして様態、そして場所が、一つの文に全部入っている。

nichtは、時間表現がなければ様態の状況語が占めるはずの位置を占め、時間表現があるときはそのすぐあとに滑り込む、と考えるとよい。どちらにしても、この文全体を否定する中立的な読み方では、様態や場所の情報より前に来て、文の一番最後に取り残されることはない。

ただし、この中立的な位置が唯一の選択肢というわけではない。前のレッスンで見たとおり、nichtは対比している一つの語のすぐ前に移動することもできる。sondernを使った節でその狭い対比が明示されるときは、nichtは中立的な語順ではなく、対比されている語のすぐ前に来る。

  • Ich rufe dich nicht heute an, sondern morgen.(私が電話するのは今日ではなく、明日だ。)――ここで否定されているのはまさにheuteそのものなので、nichtはそのすぐ前に来る。

こうした明確な対比がない普通の文では、上で見た中立的な語順――時間、そしてnicht、そして様態と場所――を使うのがよい。

nichtは分離前つづりや不定詞の前にも変わらず来る

これは、すでに知っていることと直接つながっている。nicht分離前つづりや不定詞のすぐ前にも常に来て、状況語が加わってもそれは変わらない。まず状況語、そしてnicht、そして前つづりか不定詞という順だ。

  • Ich rufe dich heute nicht an.(私は今日、あなたに電話しない。)――heute、そしてnicht、そして前つづりのan
  • Ich kann heute nicht mitkommen.(私は今日、一緒に行けない。)――heute、そしてnicht、そして不定詞。

よくある間違い

  • Ich nicht komme heute. → ✅ Ich komme heute nicht.nichtは動詞のすぐあとには来ない。日本語の否定の語尾のイメージとは違い、文のもっとあとに移動する)
  • Ich gehe heute ins Kino nicht は間違いではないが、有標な、対比を含んだ語順だ。中立的で標準の語順は ✅ Ich gehe heute nicht ins Kino.nichtが場所の語句の前に来る。あとではない)
  • Ich fahre mit dem Bus heute nach Berlin も間違いではないが、中立的な語順は ✅ Ich fahre heute mit dem Bus nach Berlin.(時間が様態より前)
  • Wir gehen ins Kino heute も有標な語順だ。中立的な語順は ✅ Wir gehen heute ins Kino.(時間が場所より前)

簡単なチェック

正しい語順に並べよう。

  1. (nach Berlin/heute/ich/fahre)――nichtなし
  2. (ins Kino/heute/nicht/gehe/ich)
  3. (mit dem Auto/morgen/er/kommt/nicht)
  4. (dich/an/heute/ich/rufe/nicht)
答えを見る
  1. Ich fahre heute nach Berlin.
  2. Ich gehe heute nicht ins Kino.
  3. Er kommt morgen nicht mit dem Auto.
  4. Ich rufe dich heute nicht an.

要点まとめ

  • 一つの文に複数の状況語があるとき、ドイツ語の中立的な語順は時間、様態、場所の順だ。
  • 文全体を否定するとき、nichtは中立的な語順では時間表現のあとに、しかし様態と場所の前に来る。場所を表す語句が中立的な文でnichtのあとの文末に取り残されることはない。それでもnichtは、前のレッスンで見た「否定する語のすぐ前」という同じパターンで、一つの語だけを対比するために移動することもできる。
  • これは、すでに知っているnichtと同じもので、範囲が広がっただけだ。文に状況語が加わっても、分離前つづりや不定詞のすぐ前に来ることに変わりはない。