すでに与格が間接目的語を示し、4格が直接目的語を示すことを学んでいて、両方が同じ文に出てくるときの語順ルールも、これまで断片的に見てきた。このレッスンでは、その全体像を一つにまとめる。どちらの目的語が先に来るかを決めるのは、それが名詞か代名詞かということだ。
簡単に言うと、中立的で日常的な語順では、名詞が2つなら与格が4格より先。代名詞が2つなら4格が与格より先(逆になる!)。代名詞と名詞が1つずつなら、格に関係なく代名詞が先に来るのが普通だ。
名詞が2つ:与格が4格より先
両方の目的語が完全な名詞のとき、中立的な語順では間接目的語(与格)が直接目的語(4格)より先に来る。
- Ich zeige dem Kunden den Vertrag.(私は客に契約書を見せる。)
- Sie schickt ihrer Freundin ein Paket.(彼女は友人に小包を送る。)
- Wir erklären den Schülern die Regel.(私たちは生徒にルールを説明する。)
これがまず選ぶべき標準の語順だ。逆の語順(4格が与格より先)も文法的には間違いではなく、与格の目的語を特に強調したり対比したりしたいときに現れるが、これは有標な、あまり一般的ではない選択肢であり、最初に選ぶべきものではない。
日本語では、格を示すのは語順ではなく「に」「を」などの助詞なので、名詞同士の場合はドイツ語と同じように間接目的語(「に」)が直接目的語(「を」)より前に来ることが多い(「客に契約書を見せる」)。しかし日本語には、ドイツ語のように両方が代名詞になったときだけ語順が入れ替わるという決まった規則はない。しかも日本語では、話し手と聞き手の双方にとって明らかな目的語は代名詞にすらせず省略してしまうことが多く(「見せる」だけで済ませる)、ドイツ語のように代名詞を2つ並べる場面自体があまり出てこない。
代名詞が2つ:4格が与格より先
両方の目的語が代名詞に置き換わると、中立的な語順は逆転する。4格の代名詞が先に来て、与格の代名詞が後になる。
- Ich zeige ihn ihm.(私はそれを彼に見せる。)— 代名詞のペアはこの順序を厳格に守る。Ich zeige ihm ihn. ではない。
- Sie schickt es ihr.(彼女はそれを彼女に送る。)— Sie schickt ihr es. ではない。
- Wir erklären sie ihnen.(私たちはそれを彼らに説明する。)— Wir erklären ihnen sie. ではない。
代名詞と名詞が1つずつ:代名詞が前に出る
2つの目的語のうちどちらか一方だけが代名詞になった場合、中立的な語順ではそれがもう一方の目的語より前に出る。格が何であってもだ。
- Ich zeige ihn dem Kunden.(私はそれを客に見せる。)— 4格の代名詞 ihn が与格の名詞より前に出ている。
- Ich zeige ihm den Vertrag.(私は彼に契約書を見せる。)— 与格の代名詞 ihm もやはり先に来るが、これはたまたま「与格が先」という普段の名詞のルールと一致しているだけだ。
2番目の例が意外に感じられないのは、与格の代名詞が先に来ることが、そもそも名詞同士の通常のルールと重なっているからだ。注目すべきは1番目の例のほうで、4格の代名詞が与格の名詞を追い越している。これは名詞のルールだけを知っていたら予想できない並び方だ。どちらにしても確認方法は同じで、代名詞を見つけたらそれを先頭に置けばよい。
なぜ代名詞が前に出るのか
これは偶然ではない。代名詞は話し手と聞き手の両方がすでに知っている情報、つまり「既出」の情報を表すので、ドイツ語は動詞と文末のあいだの部分で、それらを名詞句で表された目的語より早い位置に置く傾向がある(倒置文の主語のような他の要素は、それでも間に入り込むことがある)。名詞句は通常、新しい情報やより重い情報を運ぶので、より後ろに置かれる。これは、代名詞が2つある場合に語順が「与格、そのあと4格」のままではなく「4格、そのあと与格」に逆転する理由でもある。両方の目的語が同じくらい「軽い」情報になると、代名詞のペア専用の、決まった語順が働き始めるのだ。
表1つで3つの状況をまとめる
| 目的語 | 語順 | 例文 |
|---|---|---|
| 名詞+名詞 | 与格 → 4格 | Ich gebe dem Mann das Buch. |
| 代名詞+代名詞 | 4格 → 与格 | Ich gebe es ihm. |
| 代名詞+名詞(どちらの格でも) | 代名詞 → 名詞 | Ich gebe es dem Mann. / Ich gebe ihm das Buch. |
さまざまな動詞でもっと練習しよう
- Der Kellner bringt dem Gast die Rechnung. → Der Kellner bringt sie ihm.(ウェイターは客に伝票を持ってくる。→ それを彼に持ってくる。)
- Ich leihe meinem Bruder das Auto. → Ich leihe es ihm.(私は弟に車を貸す。→ それを彼に貸す。)
- Sie schreibt ihren Eltern einen Brief. → Sie schreibt ihn ihnen.(彼女は両親に手紙を書く。→ それを彼らに書く。)
- Wir kaufen den Kindern Eis. → Wir kaufen es ihnen.(私たちは子どもたちにアイスを買う。→ それを彼らに買う。)
よくある間違い
- Ich zeige den Vertrag dem Kunden は間違いではないが、有標な、対比を含んだ語順だ。中立的で標準の語順は ✅ Ich zeige dem Kunden den Vertrag.(与格が先で、4格が先ではない)
- Ich zeige ihm ihn は名詞と同じ語順のままだが、代名詞のペアは名詞よりずっと厳格だ。固定された形は ✅ Ich zeige ihn ihm.(代名詞が2つのとき:4格が先、名詞のルールとは逆になる)
- Ich zeige dem Kunden ihn は代名詞を名詞が来るはずの位置に残している。中立的な語順ではそこを代名詞が前に出るべきだ。✅ Ich zeige ihn dem Kunden.(4格の代名詞が与格の名詞より前に出る場合も同じだ)
簡単なチェック
目的語を正しい順序に並べよう。
- (der Vertrag/dem Kunden/zeige/ich)—— 両方とも名詞
- (ihm/zeige/ich/ihn)—— 両方とも代名詞
- (dem Kunden/zeige/ich/ihn)—— 代名詞+名詞
- (ihr/ich/es/schenke)—— 両方とも代名詞
答えを見る
- Ich zeige dem Kunden den Vertrag.
- Ich zeige ihn ihm.
- Ich zeige ihn dem Kunden.
- Ich schenke es ihr.
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要点まとめ
- 中立的な語順では、名詞が2つのとき、与格(間接目的語)が4格(直接目的語)より先に来る。
- 代名詞が2つのときは語順が逆転し、4格が与格より先になる。
- 代名詞と名詞が1つずつのときは、格に関係なく代名詞が先に来るのが普通だ。中立的な語順では、この傾向が格による語順より優先することが多い。
- その理由は、代名詞がすでに知られている情報を運ぶため名詞句より前に出るからだ。目的語の一方を強調したり対比したりするために、ほかの語順が使われることもある。