Dice que está cansado.彼は疲れていると言っている。

誰かが言ったことを伝えるとき、スペイン語では decir que(「〜と言う」)のあとにその発言内容を続けます。que は常に必要で、英語の "that" のように省略することはできません。中の時制が変わるかどうかは decir 自体の時制に大きく関係しますが、機械的な規則ではありません。本当に決め手になるのは、伝える内容が、今それを伝えている人の視点から見て、まだ現在のことと言えるかどうかです。

要点: decir が現在形のとき→伝えられる動詞はふつう自分自身の時制をそのまま保ちます。decir が過去形(dijo)のとき→時制を一段階過去に戻すのはよくあることですが(Dijo que estaba cansado)、伝える内容がまだ本当だったり、その時の指す時点がまだ有効だったりする場合は、もとの時制のままでも正しいです(Dijo que está cansado、彼が今もまだ疲れているなら)。

Decir が現在形のとき

伝える動詞が現在形なら、que のあとの文はふつうもとの時制をそのまま保ちます。

「Estoy cansado.」 → Dice que está cansado.(彼は疲れていると言っている。)「Voy a llegar tarde.」 → Dice que va a llegar tarde.(彼女は遅れると言っている。)

とはいえ、代名詞や hoy、aquí のような語が自動的に固定されるわけではありません。話す人・聞く人・場所の変化が本当に必要とするなら、decir が現在形であってもなくても、やはり変わります。

Decir が過去形のとき:時制を戻すのはよくあるが、自動ではない

伝える動詞が過去形(dijo)になると、伝えられる内容の時制を一段階過去に戻すのは、よくある自然な選択です。特に、伝える内容そのものがすでに終わっていたり、もう現在のことではなかったりする場合はそうです。

直接話法 よく変わる先
現在形:「Estoy cansado.」 線過去形:Dijo que estaba cansado.
現在完了形:「He comido.」 過去完了形:Dijo que había comido.
点過去形:「Llegué tarde.」 過去完了形:Dijo que había llegado tarde.
単純未来形:「Vendré mañana.」 単純過去未来形:Dijo que vendría.

ただし、これらの変化はどれも、英語のいわゆる時制の一致のように義務的ではありません。伝える内容がまだ本当だったり、もとの時の指す時点がまだ有効だったりするなら、もとの時制をそのまま保つこともできます。

Dijo que está cansado.(彼は疲れていると言った。今もまだ疲れている。)Dijo que llegó tarde.(彼は遅れて着いたと言った。ふつうの過去の出来事で、これ以上時間的に距離を置く必要はない。)Dijo que vendrá mañana.(彼は明日来ると言った。その日のうちに伝えられていて、まだ「明日」は来ていない。)

時制を変えた形と変えない形は同じ意味ではありません。どちらも存在していて、どちらが合うかは描かれている状況によるのであって、dijo という一語だけで決まる固定の文法規則ではありません。

日本語の間接話法には、英語のような義務的な時制の一致はありません。動詞の時制は、伝えたい時間的な関係に合わせて選ばれるのであって、主節の動詞が過去だからといって自動的に変わるわけではないのです。「彼は疲れていると言った」も「彼は疲れていたと言った」も、何を伝えたいかによってどちらも自然です。代名詞や、話し手・聞き手・時・場所を示す表現は、視点が変わる場合にだけ変わります。そのため、この「時制を戻すかどうか」という考え方自体、日本語話者には英語でもスペイン語でも一から身につける必要があります。上で見たように、スペイン語でのこの選択も文脈次第であり、単純な規則ではありません。

代名詞や時・場所の表現は、視点が変わると変化する

伝える文はもとの発言とは違う視点から語られることが多いため、主語の代名詞、目的語の代名詞、所有を表す語、そして hoy、mañana、aquí のような語は、正しい人・時・場所を指し続けるために変わることがよくあります。

「Yo llevo mi coche.」 → Dijo que él llevaba su coche.(彼は自分の車を持っていくと言った。)「Llego mañana.」 → Dijo que llegaba al día siguiente.(彼は翌日着くと言った。)

直接話法 間接話法
hoy ese día
mañana al día siguiente
ayer el día anterior
ahora entonces
aquí allí
este/esta ese/esa

これも自動的に変わるわけではありません。その発言が同じ日、同じ場所、同じ話し手によって伝えられるのなら、hoy はそのまま hoy でかまいません。決まった公式はなく、今伝えている場所から見て、もとの語が正しいものを指しているかどうかだけが問題になります。

よくある間違い

  • ❌ Dijo estaba cansado → ✅ Dijo que estaba cansado.(スペイン語の間接話法では que は必須で、省略できません。)
  • ❌ Dijo que「estoy」cansado が、発言した本人について伝えるつもりで使われている場合 → ✅ Dijo que estaba cansado. / Dijo que está cansado.(estoy のままだと、疲れているのは今これを伝えている人だという意味になってしまいます。動詞は新しい視点から見て正しい人を指していなければなりません。)
  • ❌ Dijo que estuviera cansado → ✅ Dijo que estaba cansado.(decir que で単純な平叙文を伝えるときは接続法ではなく直説法を使います。decir que のあとに接続法が来るのは別の構文、つまり命令や依頼を伝える場合です。)

力だめし

  1. 現在形で伝えましょう:「Estoy ocupada.」(ella dice……)
  2. 過去形で、時制を戻して伝えましょう:「Voy a llamar.」(él dijo……)
  3. 過去形で、時制を戻して伝えましょう:「He terminado el trabajo.」(ella dijo……)
  4. なぜ Dijo que vendrá mañana は Dijo que vendría al día siguiente と同じくらい正しいのですか。
答えを見る
  1. Dice que está ocupada.
  2. Dijo que iba a llamar.
  3. Dijo que había terminado el trabajo.
  4. どちらも正しいです。vendrá mañana はもとの時制と時の語をそのまま保っていて、「明日」がまだ来ていないその日のうちに伝えられるなら自然です。vendría al día siguiente は両方とも変えていて、もっと時間が経ってから伝えるなら自然です。どちらの形も、文法だけによって強制されるわけではありません。

まとめ

  • decir que +発言内容で、誰かが言ったことを伝えます。que は常に必要で、省略できません。
  • decir が現在形のとき→もとの時制はふつうそのままです。
  • decir が過去形(dijo)のとき→時制を一段階過去に戻すのはよくあります(現在形→線過去形、現在完了形/点過去形→過去完了形、単純未来形→単純過去未来形)が、自動ではありません。伝える内容がまだ現在のことである限り、もとの時制を保つことも同じくらい正しいです。
  • 代名詞、所有を表す語、hoy、mañana、aquí のような時・場所の語は、話し手・聞き手・時・場所の変化が本当に必要とするときに変わります。決まった規則によるものではありません。
  • decir que で単純な平叙文を伝えるときは直説法を使います。接続法は別の構文(命令を伝える場合)に属します。