Veo la casa, pero no veo a Juan.家は見えるけど、フアンは見えない。
スペイン語では、直接目的語が特定の人である場合、その直前にaという短い単語を付ける。物の場合、そこにaはまったく必要ないのに。これは人称のaと呼ばれ、日本語には対応する単語がない。日本語はこの違いを、余分な単語で示すことはしない。
要点: 直接目的語が特定・個別化された人(場合によっては個別の動物も)→ 前にaを付ける。直接目的語が物 → aは付けない。
基本的なパターン
物である直接目的語と、人である直接目的語を比べてみよう。
Veo la casa.(家が見える。aなし、物だから。) Veo a Juan.(フアンが見える。aが現れる。フアンは特定の人だから。) Busco mi libro.(自分の本を探している。物。) Busco a mi hermana.(姉/妹を探している。特定の人。)
動詞も、文の構造も、「直接目的語」という意味そのものも、まったく変わらない。唯一の違いはこの小さな単語だけで、それが現れるのは、まさに動作を受ける側が人だから。
日本語には、この追加の単語に相当するものはない。直接目的語が人であっても物であっても、文の形はまったく変わらない。スペイン語はこの違いをaではっきりと示す。
alguienとnadieは常にaを取る
alguien(誰か)とnadie(誰も〜ない)は、誰か特定の人を指しているわけではなくても、人を指す。そのため直接目的語になるときは、常に人称のaを取る。
Veo a alguien en la puerta.(ドアのところに誰かが見える。)No veo a nadie.(誰も見えない。)
tener:動詞自体ではなく、特定性の問題
tenerが家族の一員や持ち物を、一般的な形で導入するとき(単に関係や数を述べているだけのことが多い)、人称のaはふつう省かれる。
Tengo dos hermanos.(兄弟が二人いる。)Tengo un hijo.(息子が一人いる。)
けれどもこれはtenerだけの例外ではない。ほかの場面とまったく同じ「特定性」のルールが働いているだけ。同じ人物が、単に関係で呼ばれるのではなく、特定の個人として取り出された瞬間、tenerもほかの動詞と同じように人称のaを取る。
Tengo a mi hermano en casa.(兄/弟が今、家にいる。特定の人が、特定の状況の中にいる。)
だから上のhermanosやhijoは、家族だからこのルールを免れているのではなく、その文が単に関係や数を述べているだけで、誰か特定の個人を指し示していないから、aが付かないだけ。
人が代名詞になるとどうなるか
人称のaを含む句を直接目的語代名詞に置き換えると、aは消える。代名詞そのものが、すでに目的語を示す役割を果たしているから。
Veo a mis padres. → Los veo.(*A los veo.*にはならない。)Busco a mi hermana. → La busco.
よくある間違い
- ❌ Veo Juan en el parque. → ✅ Veo a Juan en el parque.(直接目的語が特定の人なら、人称のaが必要)
- ❌ Busco a mi libro. → ✅ Busco mi libro.(物には人称のaは決して付かない。文の構造は同じように見えても)
- ❌ No veo nadie. → ✅ No veo a nadie.(nadieは人を指し、直接目的語になるときはalguienと同じく常にaを取る)
- ❌ Tengo a dos hermanos. → ✅ Tengo dos hermanos.(tenerを使った単純な数や関係の言い方では、誰か特定の個人を指し示していないので、ここには人称のaは付かない。Tengo a mi hermano en casaでは特定の人を指しているのと比べてみよう)
力だめし
それぞれの文に人称のaが必要かどうか判断し、必要なら書き入れよう。
- Veo ___ mi amigo en la calle.
- Compro ___ un regalo para mi madre.
- No conozco ___ nadie aquí.
- Tengo ___ tres primos.
- Busco ___ mis llaves.
答えを見る
- Veo a mi amigo en la calle. 2. Compro un regalo para mi madre.(aなし。un regaloは物) 3. No conozco a nadie aquí. 4. Tengo tres primos.(aなし。家族を表すtener) 5. Busco mis llaves.(aなし。llavesは物)
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まとめ
- 人称のaは、直接目的語が特定・個別化された人(時には動物)であるときに、その直前に現れる。物の前には決して現れない。
- alguienとnadieは、誰か特定の人を指していなくても、直接目的語になるときは常に人称のaを取る。
- tenerで単純な関係や数を言うとき(tengo dos hermanos)はaが付かないが、同じ人物を特定の個人として指し示すと(tengo a mi hermano en casa)aが戻ってくる。これはtenerだけの例外ではなく、同じ「特定性」のルール。
- 人称のaを含む句を直接目的語代名詞に置き換えると、aは消える。目的語を示す役割は代名詞だけが担う。