Elle a dit : « Je suis fatiguée. »Elle a dit qu'elle était fatiguée.彼女は「疲れた」と言った。→彼女は疲れていると言った。

これが間接話法discours indirect)です。誰かの発言をそのまま引用するのではなく、伝達動詞とqueで始まる節に組み込みます。フランス語でこれを正しく行うには、三つのことに同時に注意する必要があります。代名詞と所有詞は伝える人の視点から見て正しい人を指すように変わり、動詞の時制もしばしば変わり、時や場所を表すいくつかの語も入れ替わります。

要点:伝達動詞 + que + 節。伝達動詞が過去時制なら、伝えられる節の動詞はたいてい一段階過去へずれます(présent → imparfait、passé composé → plus-que-parfait、futur simple → conditionnel présent)。伝達動詞が現在時制なら、何も変わりません。

基本の形

直接引用は、伝達動詞(direexpliquerrépondreajouterannoncerpenserなど)に que と普通の節を続けることで間接的な平叙文になります。引用符も、コロンも要りません。

  • Il dit : « Je pars demain. »Il dit qu'il part demain.(彼は「明日発つ」と言う。→彼は明日発つと言う。)
  • Elle a répondu : « Je ne sais pas. »Elle a répondu qu'elle ne savait pas.(彼女は「わからない」と答えた。→彼女はわからないと答えた。)

この que はここで省略できません。日本語の「〜と」も省くことはできないので、感覚としては近いところがあります。✅ Il dit **qu'**il est contentとは言えても、❌ Il dit il est contentとは言えません。

代名詞と所有詞は伝える人の視点に従う

日本語と違い、フランス語では一人称の発言が誰かの文に組み込まれると、たいてい三人称に変わります。伝える人は元の話し手のことを話しているのであって、その人自身になりきっているわけではないからです。jeil/ellemon/ma/messon/sa/sesのように変わります。どの代名詞になるかはそのたびに、実際に誰のことを指しているか、そして伝えられる文が誰の視点から語られているかによって決まり、je → il/elle という固定の公式で決まるわけではありません。

  • Marie : « Je vais chercher mon frère. »Marie a dit qu'elle allait chercher son frère.(マリー「私は弟を迎えに行く」。→マリーは自分の弟を迎えに行くと言った。)
  • Paul : « Tu as oublié tes clés. »(私に向かって)→ Paul m'a dit que j'avais oublié mes clés.(ポール「君は自分の鍵を忘れたね」(私に向かって)。→ポールは私に、私が自分の鍵を忘れたと言った。)

時制の後退:concordance des temps

伝達動詞(direexpliquerなど)自体が過去時制のとき、que節の中の時制はたいてい一段階後ろにずれます。

直接話法 間接話法(伝達動詞が過去時制のとき)
présent imparfait
passé composé plus-que-parfait
futur simple conditionnel présent
imparfait imparfait(変化なし)
  • Il a dit : « Je travaille. »Il a dit qu'il travaillait.(présent → imparfait)
  • Elle a dit : « J'ai fini. »Elle a dit qu'elle avait fini.(passé composé → plus-que-parfait)
  • Ils ont dit : « Nous viendrons. »Ils ont dit qu'ils viendraient.(futur simple → conditionnel présent)
  • Tu as dit : « J'étais malade. »Tu as dit que tu étais malade.(imparfait はそのまま imparfait のままです。もともと「背景」を示す時制だからです。)

間接話法に出てくるこの conditionnel présent は、Conditionnel présent で学ぶ形とまったく同じものです。ただしここでは仮定の意味は一切なく、futur simple が過去の視点から伝えられるときに姿を変えたものにすぎません。

この後退はよくある傾向であって、機械的に必ず起こる規則ではありません。発言をそれが言われた時点にしっかり結びついたものとして扱うときに当てはまります。言われた内容が、伝える時点でもまだ本当だったり有効だったりする場合は、元の時制のままでもかまいません。Il m'a dit qu'il est malade(彼は今もまだ病気かもしれない)は、…qu'il était malade と同じくらい正しく、どちらを使うかは伝えたい意味しだいです。

日本語では、フランス語のように伝達動詞が過去形になっただけで埋め込み節の時制を一律に一段階過去へずらす必要はありません。時制は意味と基準時に応じて選ばれます。「もう食べた」は誰かの発言として埋め込んでも「もう食べたと言った」のまま過去形ですが、これはフランス語のような機械的な規則ではなく、伝えたい時間関係がそのまま変わらないからです。日本語には「過去の視点から見た先行性」を示すためだけの専用の形はありません。フランス語のこの時制のずれは、日本語との対応を探すよりも、フランス語だけの独立したルールとして覚えるほうが早道です。

伝達動詞が現在時制のときは後退しない

伝達動詞が現在時制のとき(以前の会話ではなく、今まさに何かを伝えているとき)、伝えられる節の動詞は元の時制のままです。何も変わりません。

  • Il dit qu'il travaille.(彼は働いていると言う。)présent はそのまま présent。
  • Elle dit qu'elle a fini.(彼女は終わったと言う。)passé composé はそのまま passé composé。
  • Ils disent qu'ils viendront.(彼らは来ると言う。)futur simple はそのまま futur simple。

伝達動詞が過去時制であることは、そもそも時制が後退するための条件にすぎません。上の説明のとおり、それだけで必ず後退するわけではなく、伝える時点でその発言がまだ現在も当てはまるかどうかによって決まります。

時や場所の表現も変わる

aujourd'hui(「今日」)のような語は、もともとの発言の時点から見て初めて意味を持ちます。発言が伝えられると、特に伝達動詞が過去時制で、伝えること自体が別の時点で起きているときは、こうした語のいくつかは間接話法用の言い方に置き換える必要があります。

直接話法 間接話法(伝達動詞が過去時制のとき)
aujourd'hui(今日) ce jour-là(その日)
hier(昨日) la veille(前日)
demain(明日) le lendemain(翌日)
la semaine prochaine(来週) la semaine suivante(その次の週)
la semaine dernière(先週) la semaine précédente(その前の週)
maintenant(今) à ce moment-là(その時)
ici(ここ) là(そこ)
  • Il a dit : « Je pars demain. »Il a dit qu'il partait le lendemain.(彼は「明日発つ」と言った。→彼は翌日発つと言った。)
  • Elle a dit : « J'étais malade hier. »Elle a dit qu'elle était malade la veille.(彼女は「昨日は具合が悪かった」と言った。→彼女は前日具合が悪かったと言った。)

時制の後退と同じく、この置き換えが必要になるのは伝えることが元の発言と違う時点に結びついているときだけです。同じ会話の中でたった今言われたことを現在時制で伝える場合(Il dit qu'il part demain。今日、同じ「明日」について言っているだけです。)には、置き換えは要りません。

間違えやすい点

  • Il dit il est fatigué. → ✅ Il dit qu'il est fatigué.que は省略できません。)
  • Elle a dit qu'elle est malade. → ✅ Elle a dit qu'elle était malade.(病気が今も続いているという含みがない限り、伝達動詞が過去時制のときの通常の形です。)
  • Il a dit qu'il partait demain. → ✅ Il a dit qu'il partait le lendemain.(伝達動詞が過去時制で基準点も動いている場合、時制だけでなく時の表現もたいてい変える必要があります。)
  • Elle a dit : « Je vais bien. »Elle a dit que je vais bien. と伝える → ✅ Elle a dit qu'elle allait bien.(代名詞は、実際に話題になっている人物に対応していなければなりません。)

確認しよう

答えを見る
  1. Il a dit : « Je suis content. »Il a dit qu'____.il était content
  2. Elle a dit : « J'ai vu ce film hier. »Elle a dit qu'elle ____ ce film ____.avait vu / la veille
  3. Ils ont dit : « Nous partirons demain. »Ils ont dit qu'ils ____ ____.partiraient / le lendemain
  4. (正しいか誤りか)伝達動詞が過去時制のとき、伝えられる動詞の時制は例外なく必ず変わる。 → 誤り。伝える時点でもまだ本当なら、元の時制のままでかまいません(Il m'a dit qu'il est malade)。
  5. Marie : « Je vais chercher mon frère. »Marie a dit qu'____ allait chercher ____ frère.elle / son

まとめ

  • 間接話法では引用符とコロンを省き、発言を伝達動詞 + queで導きます。que は決して省略できません。
  • 代名詞と所有詞は、実際に誰のことが話題になっているかに合わせて変わり、もともと誰が話していたかには合わせません。
  • 伝達動詞が過去時制のとき、伝えられる動詞はたいてい一段階後ろにずれます。présent → imparfait、passé composé → plus-que-parfait、futur simple → conditionnel présent(imparfait はそのまま imparfait)。ただし発言が伝える時点でもまだ本当だったり有効だったりする場合は、元の時制のままです。
  • 伝達動詞が現在時制のとき、伝えられる動詞は元の時制のままです。
  • aujourd'huihierdemainici のような時や場所の表現は、伝えることが元の発言と違う時点に結びついたとたん、ce jour-làla veillele lendemain に変わります。