Tout le monde est là.Elle a tout compris.Elle est toute contente.みんなここにいます。彼女はすべて理解しました。彼女は完全に満足しています。

Tout はフランス語でとても便利な単語の一つですが、同時にとても厄介な単語でもあります。形容詞、代名詞、副詞という三つの異なる文法的役割を持ち、それぞれ別々の一致のルールに従うからです。

要点:tout は形容詞のとき名詞と一致します(tout、toute、tous、toutes)。代名詞のときは、「すべて」の意味の tout は変化しませんが、人やものの集まりを指す tous/toutes は一致します。副詞として「完全に」の意味で使うときは、tout はふだん変化しませんが、子音または有音の h で始まる女性形容詞の前では一致します。

Tout の形容詞用法:tout + 名詞

ここでの tout は名詞の前に置かれる普通の形容詞と同じように働き、性と数に一致します。

男性 女性
単数 tout toute
複数 tous toutes
  • Tout le monde est là.(みんなここにいます。直訳すると「全世界」です。)
  • Elle a travaillé toute la journée.(彼女は一日中働きました。)
  • Il vient tous les jours.(彼は毎日来ます。)
  • Elle range toutes les semaines.(彼女は毎週片付けをします。)

形容詞として使うとき、tout/tous はふつうすぐ後ろに定冠詞、所有形容詞、指示形容詞を伴います(tout le mondetous mes amistoute cette histoire)。冠詞なしで単数名詞の前に直接置くこともでき、その場合は一般的な文の中で「どんな〜でも」という意味になります(tout enfant a le droit d'apprendre、「どんな子どもにも学ぶ権利がある」)。特に改まった言い方や一般論でよく使われます。

Tout の代名詞用法:変化しない tout と一致する tous/toutes

代名詞としての tout は、何を指すかによって振る舞いが異なります。

  • Tout が「すべて」という意味のとき(数えられる集まりではなく、漠然とした全体を指すとき)は変化しません。形はいつも同じです。
    • Il sait tout.(彼はすべて知っています。)
    • Tout va bien.(すべて順調です。)
  • Toustoutes が「みんな」という意味のときは、文脈から特定できる人やものの集まりを指し、その集まりに一致します。前に出てきたものを指すことが多いですが、必ずしもそうとは限りません。
    • Ils sont tous venus.(彼らはみんな来ました。男性だけの集まり、または男女混合の集まりです。)
    • Mes sœurs ? Elles sont toutes parties.(私の姉妹たち?みんな出かけました。)
    • Tous sont invités.(みんな招待されています。この場合は前に何も言及がなくても、文脈から集まりが理解できます。)

ここにはよく知られた発音のポイントがあります。形容詞として使うとき、tous の語末の -s は発音されません(tous les jours は「トゥ・レ・ジュール」のように発音されます)。代名詞として使うときは、この同じ -s が発音されます。Ils sont tous venus は「イル・ソン・トゥス・ヴニュ」のように聞こえます。この発音される -s は、tous がすぐ隣の名詞を修飾しているのではなく、単独で代名詞として使われていることを示す、しばしば唯一の手がかりになります。

Tout の副詞用法:「完全に、とても」

形容詞の前に置かれると、tout は「完全に」や「とても」という意味の副詞として働きます。フランス語の副詞はふつう変化しませんが、tout もこの点では基本的にこの規則に従います。ただし、よく知られた例外が一つあります。

  • 男性形容詞の前、または母音か黙字の h で始まる女性形容詞の前では、touttout のままです。
    • Il est tout content.(彼は完全に満足しています。)
    • Elle est tout heureuse.(彼女は完全に幸せです。女性形ですが、heureuse は母音の音で始まります。)
  • 子音または有音の h で始まる女性形容詞の前では、tout一致して toute/toutes になります。
    • Elle est toute contente. が正しく、❌ Elle est tout contente. は誤りです。女性形と子音の組み合わせでは一致が必要です。
    • Elles sont toutes contentes.(女性複数形と子音の組み合わせも、一致が必要です。)
    • Elle est toute honteuse.(彼女はとても恥ずかしがっています。女性形で、honteuse は有音の h で始まり、ここでは子音と同じように扱われます。)

これは伝統的な例外で、発音のしやすさのために残されています。フランス語文法の一般的な規則から導かれるものではなく、単独の特例として覚える必要があります。

日本語にはこの三つの役割に対応する語形変化そのものがありません。「すべて」「みんな」「完全に」はそれぞれ別の語で表され、どの語も指す対象によって形が変わることはありません。フランス語の tout は形容詞、代名詞、副詞という三つの役割を同じ一つの単語でまかない、しかも役割によって一致することも、しないこともあります。これは日本語には存在しない仕組みです。

間違えやすい点

  • Elle est tout contente. → ✅ Elle est toute contente.(子音または有音の h で始まる女性形容詞の前では、副詞も一致しなければなりません。)
  • Tous les femmes sont là. → ✅ Toutes les femmes sont là.(形容詞の tout は女性名詞と一致しなければなりません。)
  • J'ai vu toute. → ✅ J'ai vu tout.(「すべて」の代名詞は変化しません。ここには一致すべき集まりがありません。)
  • Elles sont venues, tout. → ✅ Elles sont venues, toutes.(特定の女性の集まりを指す代名詞は一致しなければなりません。正しくは toutes です。)

確認しよう

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  1. Il travaille ___ les samedis. → tous(形容詞、男性複数名詞 samedis
  2. Elle a ___ oublié. → tout(代名詞「すべて」、変化なし)
  3. Mes amies sont ___ arrivées. → toutes(特定の女性の集まりを指す代名詞)
  4. Il est ___ fatigué. → tout(男性形容詞の前の副詞)
  5. Elle est ___ surprise. → toute(子音で始まる女性形容詞の前の副詞)
  6. Elle est ___ honteuse. → toute(有音の h で始まる女性形容詞の前の副詞)
  7. Elle est ___ étonnée. → tout(母音の音で始まる女性形容詞の前の副詞)

まとめ

  • 形容詞tout、toute、tous、toutes)としての tout は後ろに続く名詞と一致し、ふつうは冠詞、所有形容詞、指示形容詞を伴います。
  • 代名詞としての tout は「すべて」の意味では変化しませんが、「みんな」の意味の tous/toutes は指す集まりと一致します。また代名詞の語末の -s は実際に発音され、形容詞の発音されない -s とは異なります。
  • 副詞として「完全に」の意味で使う tout は、男性形容詞の前や、母音か黙字の h で始まる女性形容詞の前では変化しませんが、子音または有音の h で始まる女性形容詞の前では一致します(toute/toutes)。