人やものの集団について話すとき、英語には、集団のどこまでを指しているのかを正確に伝えるための、いくつかの重要な語がある。all(全部)、none(1つもない)、あるいはただの一部だ。これらを正しく使い分けられるかどうかが、あいまいな文と正確な文の違いを生む。
要点だけ先に。 all は「メンバー全員」を表す肯定の言い方、none は「メンバーが1人もいない」ことを表す否定の言い方だ。集団がちょうど2つのメンバーからなるときは、both(肯定)と neither(否定)がいちばんわかりやすい選び方になることが多い。詳しくはBoth, either, neitherを参照してほしい。この記事では all と none を詳しく取り上げ、both/neither との関係、そして自信のある話者でもはまりやすい正確さの落とし穴を説明する。
all:集団全体
all は、集団のすべてのメンバーに何かが当てはまることを表す。例外はない。
- All students must register by Friday.(すべての学生)
- I've read all these books.
- She speaks all three languages fluently.
all は複数名詞(all students)や不可算名詞(all information)の直前にそのまま置ける。of は不要だ。ただし、the、my、these などの限定詞がついた名詞の前では of を入れることができ、them、us などの代名詞の前では of が必須になる。
- All the students passed.(❌ all of students は誤り)
- All of my friends live abroad.
- All of them were late.
| 後ろに来るもの | 形 | 例 |
|---|---|---|
| 単独の複数名詞・不可算名詞 | all + 名詞 | all students、all water |
| 限定詞つきの名詞 | all (of) + the/my/these/… + 名詞 | all the students / all of the students |
| 代名詞 | all of + them/us/… | all of us |
the、my、these などの前では of を入れても入れなくてもよい。✅ all the students も ✅ all of the students も、イギリス英語・アメリカ英語のどちらでも標準的な言い方で、意味も同じだ。代名詞だけが続くときは of が必須になる。✅ all of them が正しく、❌ all them は誤り。
both(上でリンクした記事を参照)と同じように、all も名詞から離れて動詞のそばに移動できる。主語の後ろ、be 動詞の後ろ、あるいは最初の助動詞・法助動詞の後ろに置かれる。
- We all enjoyed the trip.
- They are all ready.
- We have all finished. / They can all come.
- I've invited them all. / I've invited all of them.(どちらの語順でも使える)
動詞の一致は名詞にしたがうのであって、all という語そのものにはしたがわない。✅ All the books are here(複数名詞 → 動詞は複数形)だが、✅ All the information is here(不可算名詞 → 動詞は単数形)となる。
none:1つもない
none は all の否定側にあたる語で、集団のメンバーが1人・1つもその条件に当てはまらないことを表す。
- None of the students passed.(1人の学生も合格しなかった)
- None of us knew the answer.
- "How many are left?" — "None."
all と違い、none の後ろに名詞や代名詞が続くときは必ず of が必要になる。裸の「none students」という形はない。✅ none of the students が正しく、❌ none students は誤り。限定詞なしで名詞の直前に置きたい場合は、代わりに no を使う。
- No students passed. = None of the students passed.
no は of なしで名詞の直前に置かれる。none は単独で使うか、of + the/my/… + 名詞・代名詞 の形で使う。どちらも同じ意味を表すが、文法の形が異なるだけだ。
none of + 複数の名詞・代名詞のときの動詞の一致は、実のところ意見が分かれる部分だ。 伝統的には、none(=「1つも〜ない」)の後ろには単数の動詞が来る。None of them is ready. しかし日常英語では、動詞を複数形にする形も非常によく使われ、完全に許容されている。None of them are ready. どちらも正しく、単数形のほうがよりフォーマルで伝統的な言い方だ。不可算名詞が続く場合は単数しか使えない。None of the information is useful(❌ are useful は誤り)。
正確さの落とし穴:not all と none の違い
ここは、不注意な言い方が聞き手を本当に混乱させかねない部分だ。次の2つを比べてみよう。
- Not all of the students passed. → 少なくとも1人は合格しなかった。日常的な使い方では、これは「一部は合格した」ことを示唆することが多い(部分否定)
- None of the students passed. → 誰も合格しなかった、まったく1人も(全否定)
学習者が all ではなく主動詞のほうに not をつけてしまい、次のような文を作ることがよくある。
- ⚠️ All of the students didn't pass.
この文は本当にあいまいだ。not all の意味(=少なくとも一部は合格した)と理解する人もいれば、none の意味(=誰も合格しなかった)と理解する人もいる。どちらの意味になるかは文脈や語調しだいで、読み手が意図を確実に読み取れるとは限らない。集団を表す語の前に not を置けば、このあいまいさは消える。
- ✅ Not all of the students passed.(明らかに部分否定)
- ✅ None of the students passed.(明らかに全否定)
both についても同じ落とし穴がある。⚠️ Both of them didn't come は「2人とも来なかった」とも、「2人一緒には来なかった(1人だけ来たのかもしれない)」とも読める。正確な意味を伝えたいときは、はっきりと言い切るほうがよい。✅ Neither of them came(誰も来なかった)または ✅ Only one of them came。
正確さのために役立つ習慣は次のとおりだ。 全否定を表したいときは、none / neither を直接使う。部分否定を表したいときは、否定を主動詞につけるのではなく、all / both の前に not を置く。
2つのメンバーと3つ以上のメンバー
同じ all/none の論理は、ちょうど2人・2つの人やものについても存在する。ただし使う単語が違うだけだ。both は all の「2つ版」、neither は none の「2つ版」、either は「どちらでもよい、どちらか一方」の「2つ版」にあたる。Both, either, neitherではこの3つの単語を詳しく扱っているが、関連する語をまとめると、次のようになる。
| 集団の大きさ | 肯定(全員) | 否定(誰もいない) |
|---|---|---|
| 2つ | both——Both answers are correct. | neither——Neither answer is correct. |
| 3つ以上 | all——All three answers are correct. | none——None of the three answers is correct. |
日本語の「どちらも」は、後ろが肯定なら both、否定なら neither の意味になりやすい。英語では動詞の肯定・否定で意味を切り替えるのではなく、最初から both と neither を別の単語として使い分ける。
実際には3つ以上の選択肢があるのに either/neither を使ってしまうのは、よくある間違いだ。注意深い標準的な英語では、この2つの単語はちょうど2つのときに使うものであり、選択肢が増えたら any/none を使うほうが安全になる。
- ❌ Neither of the three answers is correct. → ✅ None of the three answers is correct.
- ❌ You can choose either of the three colours. → ✅ You can choose any of the three colours.
よくある間違い
- ❌ All of book are good. → ✅ All of the books are good.(of の後ろで名詞の前には限定詞が必要で、裸の名詞は使えない)
- ❌ None students came. → ✅ None of the students came. / ✅ No students came.(名詞・代名詞が続くときは none に of が必要。no は名詞の直前にそのまま置く)
- ❌ Neither of the three books is mine. → ✅ None of the three books is mine.(neither はちょうど2つのときにしか使えない)
- ⚠️ All of them didn't call.(あいまい)→ ✅ Not all of them called.(一部は電話した)または ✅ None of them called.(誰も電話しなかった)。何を伝えたいのか、はっきりさせよう。
クイックチェック
それぞれの文に合う選択肢はどちらだろうか。
- ____ of the five candidates was on time.(Neither / None)
- I've checked all the reports and, honestly, ____ of them is/are perfect — every one has a small issue.(all / none)
- "How many messages are unread?" "____ — I read them all this morning."(None / All)
- You mean nobody passed, or just not everybody? Say it precisely: "____ of the students passed" for nobody, "____ of the students passed" for not everybody.
- ____ of the twins looks like their mother — they both take after their father.(Either / Neither)
答えを見る
- None(候補者は5人——3人以上なので neither は合わない) 2. none(全体否定——完璧なものは1つもない) 3. None(未読メッセージは0件) 4. None…Not all(この順番) 5. Neither(双子=ちょうど2人)
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まとめ
- all は集団(3つ以上)のすべてのメンバーを表す肯定の言い方。限定詞・代名詞の前では of が必要(all of the、all of us)だが、裸の名詞の前では不要(all students)。
- none は1人・1つもいないことを表す否定の言い方。名詞・代名詞が続くときは必ず of が必要(none of them)で、裸の名詞の前では代わりに no を使う。
- メンバーがちょうど2人・2つのときは、both(肯定)と neither(否定)がいちばんわかりやすい選び方になることが多い。注意深い標準的な英語では either/neither はちょうど2つのときに限り、3つ以上になったら any/none を使う。
- not all/not both は部分否定(一部だが全部ではない)、none/neither は全否定(1つもない)を表す。"All of them didn't…" という言い方はこの2つの意味の間で本当にあいまいになるので、正確な形を選ぼう。
- 複数の名詞・代名詞が続くとき、none of の後ろの動詞は単数形にも複数形にもなりうる(単数のほうがフォーマル)。不可算名詞が続くときは単数しか使えない。