関係節は、中心となる意味を変えずに縮められることが多い。ただし、時制や法(可能性・必要性など)の意味が暗黙のものになることもあるし、縮約した形が少し違う意味になることもある。こうした縮約を自然に使いこなせることが、流暢な英語がぎこちなく聞こえない大きな理由の一つだ。よく使われる3つの方法のうち、2つはすでに学んでいる。この記事ではまずそれを簡単に復習し、そのあとで本当に新しい方法、つまり関係節をto 不定詞に変える方法を紹介する。
要点。 限定用法の関係節では、関係代名詞がその節の目的語なら省略できることが多い(the film I recommended)。主語なら、-ing または -ed の分詞になることが多い(the man standing by the door、the bridge built in 1990)。そして最上級、順序を表す語(first, next, last)、only、あるいは something のような一般的・不定の語のあとでは、to 不定詞にまで縮約できることがある(the first person to arrive、nothing to worry about)。
すでに知っている2つのテクニック
**限定用法の関係節で、関係代名詞がその節の中で動詞や前置詞の目的語になっている場合、多くはそのまま省略できる。**これは基本的な関係節で詳しく扱っている。ただし、カンマのある非限定用法の関係節では通用しない。そこでは関係代名詞は必ず残る(My car, which I bought last year, is red — My car, I bought last year, is red は不可)。また、かしこまった文体で前置詞が whom/which の直前に来る場合も通用しない。the person to whom I spoke は関係代名詞を残すが、代わりに前置詞を文末に移せば代名詞を省略できる — the person I spoke to。
- the film that I recommended → the film I recommended
- the keys that you were looking for → the keys you were looking for
関係代名詞がその節の主語であれば、多くの場合その節を分詞に変えられる――能動の意味には -ing(特に継続的・一般的・同時進行の動作)、受動の意味(完了した受動的な出来事も含む)には過去分詞を使う。過去分詞は多くの場合 -ed で終わるが、不規則な形もある(built, written, made)。これは分詞構文で詳しく扱っている。
- the man who is standing by the door → the man standing by the door
- the bridge that was built in 1990 → the bridge built in 1990
この記事では、この2つの方法はすでに理解できているものとして話を進める。ここで新しく紹介するのは、関係節を縮約する3つ目の方法で、これまでの2つとは仕組みが異なる。
新しい方法:to 不定詞への縮約
一部の関係節はto 不定詞(to + 動詞の原形)にまで縮約できる。関係代名詞は消え、多くの場合、主語や、可能性・適切さ・必要性を表す助動詞(can, should, need to)も to の意味の中に暗黙に含まれる。上で見た分詞のパターンと違い、この形は元の関係代名詞が主語だったか目的語だったかにかかわらず使える。ここで重要なのは文法上の役割ではなく、その節が表す意味の種類――達成、出来事の順序、課題、あるいは可能性・適切さ・必要性――である。以下で扱う最上級・順序を表す語・only・不定の語は、B2レベルで最もよく見られるきっかけだが、同じ to 不定詞は、課題や予定された出来事を表す特定の名詞のあとにも使われることがある(the person to contact、the next train to arrive)。これは2つ目の項目で扱う。ただし、こうしたきっかけとなる語のあとであれば必ず縮約できるわけではなく、そうした意味が実際にあるかどうかによる。たとえば、誰かの一般的な能力について述べる節は、通常このようには縮約されない。the man who can speak French はふつう完全な節のまま残るか、the man able to speak French になり、the man to speak French にはならない。能力は、達成・課題・可能性・必要性とは別物だからだ。
日本語には、この to 不定詞の形にちょうど対応する構造がない。日本語では関係節にあたる部分は動詞(普通形)をそのまま名詞の前に置いてつくり、関係代名詞のような語も、英語の不定詞に相当する独立した形もない。そのため、この to 不定詞のパターンは、日本語の何かに当てはめて理解しようとするより、英語独自の新しい形としてそのまま覚えるほうがよい。
最上級・順序を表す語・only のあとで
関係節が最上級(the best, the smartest)、順序を表す語(the first, the second, the next, the last)、または only のあとに続き、達成や出来事の順序を表す場合、しばしば to 不定詞に縮約される。
- She was the first person who arrived at the party. → She was the first person to arrive at the party.
- He was the last one who left the building. → He was the last one to leave the building.
- Maria was the only student who passed the exam. → Maria was the only student to pass the exam.
評価を表す語や最上級とともに使われる場合、同じパターンが達成ではなく、適切さや推薦の意味を表すこともある。the best book to read、the easiest way to solve the problem、the safest place to stay など。
この形は、この位置にあるすべての関係節に当てはまるわけではなく、こうした意味を表す節にのみ当てはまる。the best film that I saw this year はそのままか、目的語の代名詞を省略した形(the best film I saw this year)になる。the best film to see this year にはならない。そうすると意味が変わってしまう(思い出ではなく、おすすめの意味になる)からだ。
不定の語、または課題・必要性を表す名詞のあとで
something、nothing、anyone のような不定代名詞、nowhere のような場所を表す副詞、a lot of work や a good place のような不定の名詞句は、関係節が可能性や必要性を表すとき、元の節に can や should のような助動詞が含まれていても、その意味を含んだまま to 不定詞に自然に縮約される。
- I need something that I can wear to the interview. → I need something to wear to the interview.
- There's nothing that we can do about it now. → There's nothing to do about it now.
- She has no one that she can talk to. → She has no one to talk to.
- We have a lot of work that we need to do before Friday. → We have a lot of work to do before Friday.
同じパターンは、特定のすでに何を指すか分かっている名詞のあとでも、その節が単なる事実ではなく課題・目的・予定された出来事を表す場合には関係節を縮約する。the person that I need to contact → the person to contact、the next train that arrives → the next train to arrive のように。
関係代名詞がもともと前置詞の目的語だった場合、その前置詞はそのまま元の位置、つまり文末に残る。no one to talk to、nothing to worry about、a chair to sit on のように。この縮約は、助動詞が可能性や必要性を表すときにはうまく機能するが、might(不確かさ)のような助動詞は同じようには縮約されない。the only person who might know は、意味を変えずに縮めることはできない。The only person to know は文法的には正しいが、「知っているかもしれない人」ではなく、「知っている(知っていた)ただ一人の人」という意味になる。
受動態のバージョン:to be + 過去分詞
受動の意味を表すときは、ただの不定詞ではなく to be + 過去分詞 の形を使う。
- the first woman who was elected president → the first woman to be elected president
- a lot of work that needs to be done → a lot of work to be done
能動と受動のバージョンは意味が異なる。the first person to choose は、その人自身が選ぶという意味であり、the first person to be chosen は、他の誰かがその人を選ぶという意味になる。
for + 名詞/代名詞 を加える
不定詞の動作をする人が文の他の部分とは異なる場合、あるいは文脈からはっきりしない場合には、不定詞の直前に for + 名詞または代名詞 を置くことができる(目的格の形を使う。for him、for them であって、for he、for they ではない)。
- This isn't the right time for us to discuss it.
- Here's a good book for beginners to read.
動作をする人が文の他の部分からすでにはっきりしている場合は、for は不要である。I need something to wear であって、ふつうは I need something for me to wear とは言わない。
よくある間違い
- ❌ The book reading was fascinating. → ✅ The book I read was fascinating.(book reading は「読書という出来事」を表す複合名詞として理解されてしまい、the book を説明する分詞にはならない。このような目的語の関係節では、分詞にするのではなく代名詞を省略する)
- ❌ She was the first person arrived. → ✅ She was the first person to arrive.(不定詞には to が必要で、代名詞と一緒に消えてしまうわけではない)
- ⚠️ I need something to write. は「書くための話題や文章が必要だ」という意味になる――「ペンが必要だ」と言いたいときは ✅ I need something to write with. が正しい(元の節に必要だった前置詞――something that I can write with の with――は、縮約した形でも残さなければならない)
- ❌ He's the only one to can help. → ✅ He's the only one who can help / the only one able to help。(can と to は組み合わせられない。完了した動作については、He was the only one to help me は「彼が私を助けてくれた唯一の人だった」という意味になる)
- ❌ The man to speak French got the job. → ✅ The man who can speak French got the job.(不定詞への縮約が表すのは達成・課題・順序・可能性・必要性であり、誰かの一般的な能力を述べるふつうの節ではない)
確認テスト
それぞれの関係節を、最も自然な方法で縮約してみよう。
- This is the photo that I took last year.
- The man who is waiting outside is my brother.
- She was the first person that arrived at the party.
- There's nothing that we can do about it.
- The letters that were sent yesterday haven't arrived yet.
答えを見る
- This is the photo I took last year.(目的語の代名詞を省略)
- The man waiting outside is my brother.(主語の節 → -ing)
- She was the first person to arrive at the party.(順序を表す語 → to 不定詞)
- There's nothing to do about it.(不定代名詞 → to 不定詞)
- The letters sent yesterday haven't arrived yet.(主語の節、受動 → -ed)
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まとめ
- 限定用法の関係節では、関係代名詞がその節の目的語であれば省略できることが多い。the film I recommended のように。カンマのある非限定用法の関係節では、常に残る。
- 主語の節は、-ing または過去分詞の形になることが多い。能動の意味には -ing、受動の意味(完了した受動的な出来事も含む)には過去分詞(多くは -ed、不規則な形もある)を使う。the man standing by the door、the bridge built in 1990 のように。
- 最上級、順序を表す語(first, next, last)、only、あるいは something や nowhere のような不定の語のあとで、達成・順序・可能性・必要性を表す節はしばしばto 不定詞に縮約される。the first person to arrive、nothing to worry about のように。同じパターンは、課題や予定された出来事を表す特定の名詞のあとにも見られる。the person to contact のように。
- 分詞のパターンと違い、不定詞のパターンは主語の節にも目的語の節にも使え、元の節に必要だった前置詞は文末に残る。no one to talk to のように。受動の意味には to be + 過去分詞 の形を使う。the first woman to be elected president のように。
- 不定詞の動作をする人がはっきりしない場合は、その直前に for + 名詞/代名詞 を加えることができる。a good book for beginners to read のように。