Это Анна. Анна читает.これはアンナです。アンナは読んでいます。
ロシア語には6つの格があります。格とは、名詞が文の中での働きに応じてとる形のことです。1格はその最初で、いちばん簡単な格です。辞書に載っている形(стол、книга、окно)で、名詞が主語(何かをする人や物、または何かである人や物)のとき、また人や物をただ言い表すときに使います。
ひとことで: 1格は辞書形です。人や動物には кто?(誰?)、物には что?(何?)で答えます。
疑問詞:кто? と что?
| 疑問詞 | たずねる対象 | 例 |
|---|---|---|
| кто? | 人または動物 | Кто это? — Это Анна.(これは誰ですか。アンナです。) |
| что? | 物 | Что это? — Это стол.(これは何ですか。テーブルです。) |
答えは、その人や物を言い表すだけなので、いつも1格になります。
1格が使われる場面
- 言い表す、示す(たいてい это の後)。 Это книга. Это мой брат. это(「これは/それは」)は性や数で形が変わりません。Это стол. Это лампа. Это окно. Это книги.
- 文の主語。 Мама работает.(お母さんは働いています。)Дети играют.(子どもたちは遊んでいます。)主語は、動作をする人や話題になっているものです。
- зовут の後の名前。 Меня зовут Анна.(私の名前はアンナです。)меня(「私を」)は別の格ですが、名前は1格のままです。
- 現在形で、誰か何かが何であるかを表す名詞。 ロシア語の現在形には「です/である」にあたる語がないので、名詞は1格のままです。Он врач.(彼は医者です。)Анна студентка.(アンナは大学生です。)過去や未来(Он был врачом)や、работать のような動詞の後(Он работает врачом)では、名詞はふつう造格(5格)になります。現在形のしくみはゼロ・コピュラと есть、造格は造格:手段・職業・述語で扱います。
- 辞書の見出し語と、単語を一語だけ言うときの形。Книга.
日本語では「が」「を」「は」のような助詞が文の中での働きを示しますが、ロシア語では助詞ではなく名詞そのものの形(語尾)が働きを示します。1格は、おおむね「が」で表される主語の形にあたります(ただし「は」や「も」の主題と完全に同じではありません)。
格の語尾が主語を見つける手がかりになる
ロシア語では主語が文頭に置かれることも多いですが、格の語尾も主語を教えてくれることが多く、そのぶん語順は自由です。文中のほかの名詞は、別の格の語尾をとります。
- Мама любит папу.(お母さんはお父さんを愛しています。)Папу любит мама.(お父さんを愛しているのはお母さんです。)
どちらの文も主語は мама です。1格なのは мама だけだからです。Папу は別の格(対格、4格)に変わっていて、目的語だとわかります。(Студент видит стол の стол のように、二つの格で同じ形になる名詞もあるので、文脈や語順も手がかりになります。)対格には専用のレッスンがあります。まずは対格:無生物の目的語からどうぞ。
ほかの格は語尾が変わるが、1格は変わらない
1格は「基本」の形です。名詞がほかの働きをするときは、語尾がたいてい変わります。
| 1格 | ほかの格での例 |
|---|---|
| книга | Я читаю книгу.(私は本を読んでいます。) |
| школа | Я в школе.(私は学校にいます。) |
| Анна | Это книга Анны.(これはアンナの本です。) |
今は覚えなくても大丈夫です。この段階で大切なのは1格を見分けること、つまり、名前を挙げるとき、主語になるとき、そして現在形で「〜は…です」と言うときの述語名詞に使われる形を見つけることです。性(名詞の性を参照)と複数形(1格における名詞の複数形を参照)には、すでに専用のレッスンがあります。
よくある間違い
- ❌ Это книгу. → ✅ Это книга.(это の後では名詞はものを示すだけなので、1格のまま)
- ❌ Меня зовут Анну. → ✅ Меня зовут Анна.(зовут の後の名前は1格のまま)
- ❌ Он врача. → ✅ Он врач.(現在形の「彼は医者です」では、名詞は1格)
- ❌ Мама читает книга. → ✅ Мама читает книгу.(мама は主語で1格のまま、読まれるものは1格を離れる。これは対格で、専用のレッスンがあります)
ミニテスト
どの形が合うでしょうか。
- 「Кто это? — Это ____.」(Анна / Анну)
- 「Что это? — Это ____.」(стол / стола)
- 「Меня зовут ____.」(Иван / Ивана)
- 「Мама читает книгу.」主語はどちらの名詞でしょうか。мама ですか、книгу ですか。
- 「Он ____.」(врач / врача)
答えを見る
- Анна(人を示す:1格) 2. стол(物を示す:1格) 3. Иван(名前は1格のまま) 4. мама(1格です。книгу は対格に変わっています) 5. врач(省かれた「です」の後は1格)
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まとめ
- 1格は名詞の辞書形です。кто?(人・動物)と что?(物)に答えます。
- 主語の形であり、Это … や Меня зовут … の名詞の形であり、現在形で誰かが何であるかを表す名詞の形です(Он врач)。
- ロシア語は、語順だけでなく1格の形でも主語を示すことが多く、文中のほかの働きにはほかの格の語尾が使われます。
- Кто это? と Что это? への答えは、いつも1格です。