Она врач. Здесь есть кафе.彼女は医者です。ここにカフェがあります。
ロシア語の現在形には、ふつう「~です・~である」にあたる語がありません。文の二つの部分をそのまま並べます。これをゼロ繋辞と呼びます。何かが存在する、あるいはそこにあると言うときは、есть という語を使います。この語の働きは、日本語の「です」とはかなり違います。
ひとことで: だれ・何であるか、どこにいるか、どんなものかは、動詞なしで言います(Я студент. Он дома. Дом большой.)。何かが存在する、あるいはそこにあると言うときは есть を使います(В городе есть парк.)。
現在形では「である」にあたる動詞がない
日本語なら「です」が必要なところで、ロシア語は動詞を省きます。
- Я студент.(私は学生です。)
- Она дома.(彼女は家にいます。)
- Мы в парке.(私たちは公園にいます。)
- Дом большой.(家は大きいです。)
- Это моя мама.(これは私の母です。)
現在形では、このような文の名詞は1格(主格)になります。1格を参照してください。代名詞は人称代名詞で、形容詞が名詞に一致することは1格における形容詞の性数一致で扱っています。
日本語には「です・だ」という繋辞があり、ロシア語の現在形にはそれにあたる動詞がありません。存在を表す есть は「ある・いる」に近い語ですが、日本語のように生き物か無生物かで使い分けることはなく、単数でも複数でも形は変わりません。
小さな語 это は何かを指します。Это книга.(これは本です。)Это не книга.(これは本ではありません。)指示代名詞を参照してください。
書くときは、とくに定義の文で、二つの名詞のあいだの欠けた動詞をダッシュで示すことがよくあります。Москва — столица России.(モスクワはロシアの首都です。)ダッシュは書き言葉の決まりにすぎません。
否定と疑問
否定は、否定したい語の前に не を置いて作ります。Он не врач.(彼は医者ではありません。)Она не дома.(彼女は家にいません。)はい・いいえで答える疑問文は語順を変えず、イントネーションで示します。Ты студент?(あなたは学生ですか。)「не」による否定を参照してください。
過去と未来:動詞が戻ってくる
現在形以外では、欠けていた動詞が戻ってきます。それが быть で、過去と未来に使います。
- Вчера я был дома.(昨日、私は家にいました。)Вчера она была дома.(彼女は家にいました。)
- Завтра я буду дома.(明日、私は家にいます。)
過去形は主語に一致します(был, была, было, были)。詳しくは過去形:-л の形で説明しています。未来形は буду, будешь, будет, будем, будете, будут です。
есть による存在と所在
何かが存在する、あるいはどこかにあると言うときは、есть を使います。
- Здесь есть кафе.(ここにカフェがあります。)
- В городе есть парки.(町には公園があります。)
- У нас есть время.(私たちには時間があります。)
есть は決して形が変わりません。単数でも複数でも、どの性でも同じです。у + 人 とともに使うと「持っている」の意味になり、2格(生格):所有と「у меня есть」で扱っています。
есть を使った疑問文は、何かが存在するか、利用できるかをたずねます。Здесь есть банк?(ここに銀行はありますか。)短い答えではこの語をくり返せます。Есть.(あります。)何かがないと言うときは、нет と生格を使います。2格(生格):「нет」による不在で扱っています。Здесь нет банка.(ここに銀行はありません。)
ゼロ繋辞か есть か
二つの型は、答える問いが違います。
| 問い | 型 | 例 |
|---|---|---|
| だれ・何か。どこにあるか。どんなものか。 | 動詞なし | Кафе здесь.(カフェはここです。)Кафе маленькое.(カフェは小さいです。) |
| あるか。存在するか。 | есть | Здесь есть кафе.(ここにカフェがあります。) |
Книга на столе.(本は机の上にあります。本はすでにわかっていて、その場所を言う文です)と На столе есть книга.(机の上に本があります。本を新しく導入する文です)を比べてみてください。前者のタイプの文では есть は必要ありません。
есть は、決まった言い方 то есть(つまり)にも出てきます。
よくある間違い
- ❌ Я есть студент. → ✅ Я студент.(「私は学生です」に動詞は必要ありません)
- ❌ Она есть дома. → ✅ Она дома.(人がどこにいるかを言うのに動詞は必要ありません)
- ❌ Это есть моя мама. → ✅ Это моя мама.(это がすでに人を指しています)
- ❌ Дом есть большой. → ✅ Дом большой.(性質は動詞なしで言います)
- ❌ Здесь не есть кафе. → ✅ Здесь нет кафе.(есть の否定は нет で、не есть ではありません)
ミニテスト
それぞれの文はロシア語でどうなるでしょうか。есть が必要なのはどれでしょうか。
- 本は机の上にあります。
- ここにカフェがあります。
- 彼女は先生です。
- ここに銀行はありますか。
- 昨日、彼は家にいました。
答えを見る
- Книга на столе. 2. Здесь есть кафе. 3. Она учительница. 4. Здесь есть банк? 5. Вчера он был дома.
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まとめ
- 現在形では「です・である」にあたる動詞を省きます:Я студент. Она дома. Дом большой.
- 現在形以外では быть が戻ります:был, была, было, были と буду, будешь, будет…
- есть は何かが存在する、あるいは利用できることを表し(Здесь есть кафе.)、数や性で形が変わりません。
- だれ・何か、どこにあるか、どんなものかを言うときは動詞を使いません。存在する、あるいはそこにあると言うときは есть を使います。
- 否定は、否定する語の前に не を置きます。「ない」は нет で表します。